令和2年2月15日(土)、川崎市産業振興会館第3研修室において、~台風19号を振り返る~多摩川学習会と題して、令和2年10月の台風19号の切り口に、今後の水害に対する備えについてマイ・タイムラインの紹介なども交えながら水災害意識の醸成を目的として多摩川の河川管理者である京浜河川事務所の太田副所長、気象予報士・気象キャスターの水越祐一氏、当機構の副理事長で東京大学准教授の知花先生を講師として川崎市、世田谷区などの流域の住民約40名を対象とした学習会を開催しました。
京浜河川事務所の太田副所長からは、台風第19号の出水状況や今後の治水対策としてとりまとめた「多摩川流域緊急治水対策プロジェクト」の話題提供、水越キャスターからは、「激甚化する気象災害」をテーマに近年の全国的に頻発している気象災害やその備えについて、知花先生からは「多摩川を知ろう」をテーマに多摩川の地形的特性から歴史、水理学まで幅広い話題から参加された皆さんの水防災意識向上に繋げられる講演がなされました。
参加者からは、必要な治水対策を進めて欲しいといった趣旨のご意見や、住民が正しい情報をもとに的確に避難行動をとり被害を最小限にしていくため、更に防災情報発信の充実を図るとともに、今回の様な学習の機会を増やして頂きたいなど、本学習会が参加者の水防災意識の醸成、向上に寄与することが確認され、閉会となりました。
当日は、当法人の理事長・鈴木より今回の勉強会の開催趣旨のほか多摩川の渡し場の歴史や自身が関わった丸子の渡しについて紹介したのち、多摩川を管理する国土交通省京浜河川事務所総括地域防災調整官の中村さんから今回の台風19号による多摩川の被災状況の報告や多摩川の船着き場の整備に関する話題提供を行っていただきました。質疑応答では、台風19号の詳細な被害状況を知りたいという声が多く聞かれ、参加者の水防への高い意識がうかがえ、さらに中村さんからは、河川情報の取集方法や日頃の心構えについて補足していただきました。また、参加者全員で行った意見交換では、船着き場の場所や河川の利用方法についての具体的な話題提供がなされました。今回初めて参加された方も多かったのですが、参加者からは継続した勉強会や渡し場体験の開催要望もいただき、来年度も今回の意見を踏まえて取り組みを進めていきたいと考えております。
なお、本教室は、(公財)河川財団の河川基金の助成を受けて実施しました。